被評価者(人事評価を受ける人たち)に向けて、評価の仕組みやプロセスについて、研修をすることがあります。
その際、説明に対する被評価者の受け止め方は様々です。
新しい評価の仕組みを正しく理解しようと質問する人もいれば、納得がいかないと不満を述べる人もいます。
また、評価者は、たいてい直属の上司であることが多いこともあり、
「評価者は部下の仕事ぶりを丁寧に観察して、公平に評価すべきだ」と言われる被評価者もいます。
これは真っ当な意見ですが、現実はその通りにはいかないものです。
被評価者の仕事を正当に評価することは、評価者の役割ですし、そうあって欲しいと願います。そのために、評価者は被評価者の日々の仕事ぶりを観察し、記録するなど、把握に努めてもらいたいものです。
しかし、現実には、評価者の意思や努力の大小だけでなく、仕事を適切に評価するスキルにも巧拙があります。その結果、被評価者にとって、不公平や理不尽が生じることは珍しいことではありません。
ですから、評価者が評価しやすいように仕事をすることは、被評価者にとってもプラスになるのです。
もし、あなたが評価者に高く評価されていないのであれば、たとえ自分が頑張っていると訴えたところで、状況は改善されないでしょう。そのような評価者に納得がいかないと、転職をした人を知っていますが、転職した組織でも、たいして変わりませんでした。
それは、組織に属さないような起業家になったところで、同じなのです。評価者が上司から顧客になるだけです。どれだけ良い仕事をしていたとしても、顧客に分かるように仕事をしていなければ、高い評価を得ることは難しいでしょう。
顧客が正当に評価しないから悪いと言っているだけの起業家は、いずれ顧客から見放されます。
評価者が正当に評価しないから悪いと言っているだけの被評価者は、評価者から高く評価される日は来ないでしょう。
たとえ納得がいかなくても、被評価者は、評価者に見えるように仕事をしなければならないのです。あなたがどれだけ素晴らしい行動をしても、評価者に見えていなければ、正しく評価されないのが現実です。もし、あなたが正当に評価されたいと願うなら、正当に評価されるようにできるだけ行動を変えてみましょう。
自分は評価者(上司)からどう見えているか知ろうと試みて、行動を改善していくことは、自分への評価を高めるだけではなく、顧客との関係性を良くすることにも繋がります。