好かれている上司と、尊敬される上司は似ているようで違います。人柄は良いけれど、仕事ができないという上司は尊敬されることはありません。逆に、人物的には怖がられていても、ここ一番でチームを救う行動や、意気に感じる言葉を発することのできる上司は、尊敬されることがあります。
尊敬される上司の特徴をもう少し細かくみていきましょう。
尊敬される上司の姿勢
自分は優秀な上司である、レベルの高い人物であるといったことを言葉の端々から汲み取られてしまうような上司は、尊敬されません。自分は優秀であると自分に言い聞かせることは、自己肯定感を高めますが、他者に言い聞かせることは、部下の心を引き離しているようなものです。
残念ながらこうした上司は、部下から指摘されることはありませんし、自分の上司には、傲慢な態度を取りませんので、改める機会が少ないものです。
尊敬される上司は、部下であろうと、下請け会社の方であろうと、謙虚な姿勢を貫いています。
また、部下からの提案に対して、その内容が稚拙であっても、どうすればより良くなるかという意図で話をする上司は尊敬されます。一方で、基本的に否定的なスタンスで、うまくいかない理由しか述べない上司は、尊敬されることはありません。
尊敬される上司の言動
他部署の同僚や取引先の方など、他人の悪口を言う上司は、上記と同じで自分を優秀であると認めて欲しいだけですので、部下からは尊敬されません。一方、部下の言動に対して、承認することや、こまめに感謝を表す上司は、尊敬されます。
間違いがあれば、非を認め、至らない点を素直に謝ることのできる上司も潔い人として、尊敬されます。
その他には、日頃言っていることと、やっていることに大きな差がある上司は、尊敬されませんし、信頼もされません。さらに、背景や理由を説明せずに、指示だけするような上司は、部下のモチベーションを奪います。
このようにみてきますと、尊敬される上司というのは、高い成果を上げるため、そして、良い仕事をするために必要な基本的な姿勢を理解しています。
また、正直な言動や、誠実な行動とは何であるかを理解して、実践しています。
これは、一貫性がある人物として周囲から認識されます。そのためには、自らを客観的に見続け、自分の言動をチェックしていなければなりません。自分に甘くなり、弱さが露呈してしまうのが人間の本質ですから、これは、決して簡単にできることではありません。
だからこそ、こうした上司は尊敬されるのです。そして、尊敬される上司は、そのほうが仕事を進めやすいことを知っています。