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効果的な評価面談にするための4つのルール

評価面談は評価結果が出た後に行われるもの、と認識されている方は多いと思いますが、本来は、評価結果を伝えるだけでなく、各自の成長を促進することや、組織の成果を高めるためのコミュニケーションの場として活用されるものです。

 

評価制度を作る人事の方や、面談を実施されるマネジャーが、より良い評価面談にできるように、次の4つのルールの実践をお勧めします。

 

 

1.評価面談の頻度を増やす

 

ビジネススピードの速い事業に携わっている職場では、半年前の仕事ぶりに対するフィードバックが、あまり機能しているとは言えません。

 

そもそも、被評価者側である部下自身も、半年前の仕事ぶりについて、どれぐらい正確に覚えているのでしょうか?成果や結果に関する話はともかく、何ヶ月も前の行動や仕事の姿勢について、フィードバックをされたとしても、部下の納得感が高まることを期待するのは、やや無理があります。

 

そして、部下の納得感が高くなければ、行動変容には繋がりにくくなります。

 

これでは、フィードバックも査定のための単なるルーティン業務になるだけで、評価を育成に繋げたい多くの企業の思惑は外れてしまいます。

 

 

多くの企業では、半年に一回、評価をつける間隔になっているでしょう。だからといって、評価面談も同じ頻度である必要はないのです。面談を3ヵ月に1回、1ヵ月に1回など、期間を短くすることによって、面談は評価結果を伝えるためだけの場ではないというメッセージを伝えられます。

 

さらに、評価結果が出ていない時の面談も発生するため、部下の仕事ぶりやマネジャーの支援内容などについての面談に時間を割きやすくなるでしょう。

 

 

 

2.被評価者が面談の評価を行う

 

評価面談の頻度だけを増やしても、質が改善しなければ、面談効果は乏しくなります。

 

そこで、面談後には、被評価者である部下たちが、その面談を評価して、フィードバックします。

 

この仕組みは、社員の評価面談に対する満足度や納得度を高めることにも寄与します。

さらに、マネジャーの評価面談に対する姿勢を良くすることにも繋がるでしょう。

 

フィードバック面談の実施機会の頻度を短くし、被評価者が面談に対する評価を行うことによって、評価者であるマネジャーは、より良い面談を提供することを求められます。そうしますと、マネジャーは、必然的に、従来よりも部下を観察しなければならなくなるのです。

 

 

 

3.成果を明確に定義する

 

仕事ぶりはともかく、成果は事実なのだから、面談時に忘れるはずがないという意見がありますが、事実であるのは、成果ではなく結果です。その結果が、事前に決めていた内容と照らし合わせて、初めて成果として認められるわけです。

 

そのため、事前に決めていた成果や目標が曖昧であれば、結果の解釈は人によって変わってしまうことになり、成果の良し悪しの評価にも影響を与えてしまいます。また、結果だけを見て、前年比較で良し悪しを決めていては、そもそも何のために目標を決めたか分からなくなり、部下は頑張るのが馬鹿らしくなります。

 

評価面談は、フィードバックだけで終わるのではなく、今後求める成果について話し合い、分かりやすい目標を設定する機会でもあります。

 

評価面談で話し合って決めた成果や目標が明確であるか否かを判断するためにも、すべての目標を全社公開し、誰もが見られるようにしておきましょう。他者への関心が極端に低い文化の企業でない限り、他の社員の目標を見て分かりにくければ質問するでしょうし、指摘もあるでしょう。

 

こうした緩やかな相互監視によって、目標はより分かりやすいものになっていきます。

 

 

 

4.評価面談の準備にこそ時間を使う

 

マネジャーの方々にお話をお聞きしていると、「忙しくて面談準備に多くの時間を割けない」という声がよく出てきます。しかし、これは時間の使い方が間違っています。部下のモチベーションを高めるために利用する評価面談であるのに、準備に時間を費やさなかった結果、逆効果になるのであれば、面談などしないほうがマシなのです。

 

評価者であるマネジャーは、日常の部下の仕事ぶりをしっかりと観察し、評価面談を有効に活用するために、日々の気づきを事前にまとめておく必要があります。また、部下のタイプに応じて、面談の場でどのように伝えていくか、事前にシミュレーションやロールプレイをすることによって、より良い面談にしていくことができるでしょう。

 

マネジャーがどのような面談を行うのか、面談内容の計画書を事前に提出してもらうルールを作っておきますと、部下に対する気づきやフィードバック内容をまとめる時間を取らざるを得ません。また、面談の時間配分なども考える必要が生じます。

 

これらの準備に時間を使うことは、結果的にマネジャーの面談スキルの向上にも役立ちます。