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若手社員を転職予備軍にさせない方法3 前編

シリーズでお送りしております若手社員を転職予備軍に

させない方法の最終回(前編)です。

 

転職予備軍を大きく3つのタイプに分けまして、

前回までに2つ目のタイプへの対策方法までご紹介してきました。

 

最終回は3つ目のタイプである

「成長に行き詰まりを感じている転職予備軍」についてです。

 

彼らは、成長意欲が高く、現在の仕事もある程度うまくできており、

自信を持っています。

 

一方で、「このままこの環境に身を置いていていいのだろうか」

とも思っています。

 

現状に物足りなさを感じながら、モヤモヤしているのです。

 

しかし、モヤモヤを整理する時間を作っていません。

 

タイムマネジメントに課題のある若手社員の場合、

こうした「緊急でないが、重要な事項」をいつまでも後回しにしてしまいます。

 

目先の緊急な仕事は、しっかりと遂行できるのですが、

それで日々が過ぎてしまうのです。

 

 

また、モヤモヤを整理する場合でも、その方法を知らないために、

間違った結論を導くことや、整理が中途半端に終わることがあります。

 

結局、モヤモヤした期間が続きます。

 

モヤモヤが続くのは嫌なものです。

 

そのため、転職することがモヤモヤ解消の唯一の解決策と結論を急ぐ人もいます。

 

 

< 整理できるように支援する >

 

こうしたモヤモヤを整理するためには、

 

・何ができていて、何ができていないかの現状把握。

 

・これからどうなりたいかの理想像を描くこと。

 

・それらのギャップを埋めるための手段の検討。

 

 

ここまで整理した上で、現在の職場や会社では、

どうしても実現できないのであれば、そこで初めて転職という手段を検討します。

 

しかし、上記のプロセスを経て、正しく整理すれば、

転職せずとも解決できることが多いのです。

 

ここまでできれば、手段の実施のための行動計画を作成します。

 

これら一連の取り組みを上司のマネジメントによって提供できれば理想的ですが、

なかなかそのようなマネジャーにお目にかかったことはありません。

 

従って、研修等でしっかりと整理させ、計画を振り返る機会まで提供できると、

彼らは「転職しかない」といった間違った結論を導かずに済みます。

 

 

< 適切なメンターをつける >

 

研修よりも、日常的に仕事を振り返ることや、効果的な質問、

適切な助言等を与えてくれるメンターがいるほうが、

彼らにとっては心強い味方となります。

 

上記のような効果を期待して、メンター制度を導入する企業があります。

 

ただし、トレーニングを受けたメンターでなければ、

逆効果になりかねないというリスクがあります。

 

 

メンター制度に関する本を読んで、準備をせずに導入した企業を

知っていますが、その結果は惨憺たるものになりました。

 

適切なトレーニングを受けていない社員が突然メンターに任命されました。

 

そのため、彼らは何をしていいのか分からず、属人的な対応になりました。

 

その結果、対象のメンティと数回会話しただけで、その後は何もせず、

現在に至っているメンターがたくさん発生したのです。

 

このような形だけの制度では、何の効果も生みません。

 

それどころか、メンティである若手社員から、

会社は何がしたかったのかと、呆れられることになりました。

 

 

自らのキャリアや感情の整理を支援してくれるメンターの存在は、

タイプ3のような若手社員にとって、特に有効に働きます。

 

また、メンター制度自体は有用な仕組みでありますので、

しっかりと準備をして、適切な運用を目指して欲しいものです。

 

 

長くなりましたので、後編に続けます。