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若手社員を転職予備軍にさせない方法2

 

前回は、転職予備軍を早期離職に至らせないために、転職予備軍を

大きく3つのタイプに分けまして、1つ目のタイプへの対策方法についてご紹介しました。

 

今回は2つ目のタイプである「職場に馴染めない転職予備軍」についてです。

 

人はスキルや能力の高低だけで動くのではありません。

人に感情がある以上、理屈や目に見えるものだけで人を動かすことはできません。

 

2のタイプは与えられた業務は遂行できるのですが、

職場の風土に合わないことや、人間関係をうまく構築できない傾向があります。

 

そのため、他者を動かすことに苦労することや、

本人が思うほど、周囲の人々から必要としてもらえないため、

 

「自分はもっと貢献できる、もっとやれるはずなのに・・・」

 

と悩むことや、不満として表れることがあります。

 

このようなタイプの方々へはどのような対策が有効なのでしょうか?

 

 

・フィードバックを受ける機会を設定する

 

2のタイプの人は、1のタイプの人と違って自分に自信があることが多く、

職場や会社に対して、自分の物差しで評価し、何らかの意見を持っています。

 

また、自分の考えこそが正しいと思う傾向が強いように感じます。

 

例えば、職場で飲み会があるとします。

 

2のタイプの人は、

 

「また仕事の愚痴しか出てこないだろうな。

 

自分たちのスキルを高めようともしないで、

また同じ様なことを言い出すのだろう。

 

そんな場にいても時間の無駄だ。何か理由をつけて欠席してしまおう。」

 

といったように、考えてしまうわけです。

 

このように事実と異なる理由で正当化して、心理的な自己防衛を図る傾向が

見られるのですが、本人は自らの判断にバイアスがかかっていることに

気付かないことがほとんどです。

 

周囲に適切なフィードバックを提供してくれる人がいれば、

上記のようなバイアスが修正される場合もありますが、

職場に馴染んでいない2のタイプの人にとって、

社内の人から自然にフィードバックを受けることは難しいでしょう。

 

ですから、定期的にフィードバックの機会を設定し、2のタイプの人が

周囲からフィードバックを受けることが重要です。

 

例えば、研修や面談などの場を活用してもいいでしょう。

 

 

・同僚との交流機会を増やす

 

上述したように、2のタイプは職場に馴染んでいないが故に、

職場での交流を避けようとします。

 

従って、この状態を放置し続けると、彼らの選択肢は異動か、

転職が濃厚になります。

 

多くの人にとって、人事異動は自分でコントロールできませんから、

転職へ進んでいくことになるのです。

 

この状態を改善するためには、強制的にでも職場の人々と交流する機会を

増やします。

 

同期の懇親会や、若手社員が集まる飲み会など、各種イベントを会社側が

設定し、強制参加させます。

 

研修などの実施後に懇親会を設定している企業は珍しくありませんが、

このようにすると、自然な流れで交流させることができます。

 

以前、研修をさせていただいたお客様では、従業員同士の人間関係を

発展させるため、研修よりも研修後の懇親会に注力していていました。

 

職場における人間関係を改善しなければ、問題解決にはならないのですが、

同じ組織に気軽に話せる相手は一人でも多いほうが良いですね。

 

また、自分の気持ちや考えに共感してくれる同僚が見つかれば、

良い変化を促すことにも繋がります。

 

 

2のタイプの人が職場に馴染んでいくためには、

 

「相手を変えるのではなく、自分が変わらなければならない」

 

ことに気付き、それを本人が受け入れてもらうことがポイントになります。

 

次回は3のタイプ「成長に行き詰まりを感じている転職予備軍」への

対策について考えます。