3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、多くの方が被災されました。
被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
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誰もが信じられないような大きな災害に遭遇しました。
私は阪神大震災のときに、神戸に住んでおりましたので、火の海と化した、
あたり一面の光景は今でも忘れることはありません。
今回のように、大きな災害に遭遇した方にとっては、強烈な急性ストレス(突発的なストレス)が
降りかかったと思います。
大きな不幸に見舞われた時、人は心理的に強いショックを受けます。
ショックは恐怖や未来への不安を生み出し、冷静に考えられないようにさえします。
それでも、決して悪いことばかりではありません。
震災当時は、辛いこともたくさんありましたが、良いこともありました。
食べるものに苦労するという経験を味わった結果、何でもない食事がこれほどまでに美味しいのかと
感激することができました。
毎日、当たり前のように使っていた水が使えないと、こんなにも苦労するのかと思い知らされました。
配給された水のいらないシャンプーの辛かったこと。
水を無償で提供してくださる近隣住民の優しさに触れることもできました。
また、久しぶりに銭湯に入ることができたときの爽快感は、何とも言えない喜びでした。
絶望にくれる時こそ、自ら希望を持って欲しいと思います。希望を持つためには、
心を元気にする必要があります。
人の優しさに触れることや、笑うこと、心が前向きになれると元気になってくるのは
人間に与えられた不思議な力です。
そして、もう一つ、人間が持つ不思議な力は、「慣れる」ということ。
どんなに苦しくて、大きな傷を受けても、時間が経過すれば慣れることができます。
もちろん、人によって慣れるまでの長さは異なりますが、誰でも立ち直ることができる力を持っています。
大きな苦痛や悲しみを経験した誰もが、選ぶことができるのです。
悲しみにくれて、無気力に日々をやり過ごすか。自分や大切な人々の未来を信じて、再び立ち上がるか。
多くの人がきっと立ち上がるでしょう。私は、そう信じています。
立ち上がると決めたのならば、前を向いて行動することができます。行動すれば、必ず支援者が現れます。
人が持つ不思議な力を信じて。さあ、前に進みましょう。